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収用が予定されている土地の相続対策

裏旭岳・ゼブラ
成田周辺ですと第三滑走路や圏央道に関係するものが規模的に主となりますが、収用については成田に限定されるものではなく全国に共通する相談事例で、各市町村や都道府県の道路拡幅に伴う収用は意外に多いものです。
言われるままの買取り金額で譲渡契約を結び、申告相談会に参加して所得税の申告をするのも手ではございますが、稀に間違った回答をして延滞税や加算税を支払うハメになりそうになった相談事例もございます。また、自分の所有する土地の値段がそれほど上がるとは思っておらず、そのままにしていたところ土地の買取り申し出があった際に、その金額を聞いてビックリする。または、高齢の親が所有している土地につき、後々聞いてみたらとんでもない高額な値段の買取り金額だった。その他様々な事情で親類関係ということで収用に関わることになったが、今後の相続税やお金の取り扱いが非常に心配になってきたという相談もございます。
基本的には、収用に関しての相続対策というものはございません。土地がキャッシュに変わってしまうからで、後は運用方法における節税対策ということになるからです。
昔成田空港の用地買収があった際、一部の方々が慌てて子供らに農地や山林を贈与したところ、ことごとく税務署に時価が低いとして否認されたという逸話も聞いております。買取金額が判明した段階になると収用で提示された金額が時価となるため、以前の農地や山林の低い価額で贈与しても否認されるだけとなります。
よって、相続税対策はないのが原則ですが、それでも0%ではなく収用前の価額で贈与が認められるケースもあるにはあります。ただ、100%安全確実かというと近時のタワマン節税が最高裁で否認されたように、納税者寄りの判断をしてくれる国税不服審判所で認められたとしても、地裁・高裁・最高裁でどうなるかは誰も予測が出来ません。実行可能かどうかは、推定相続人が一定の状況にあるという要件が必要となります。

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