事務所便り
国際間の電子的サービスに対する改正消費税の実務
いよいよ10月1日以後の取引より、従来不課税であった国外事業者によるインターネットを通じて提供される国内サービス(広告宣伝やクラウドサービス、ゲームや映像、音楽等)につき消費税が課税されることとなり、ようやく内外価格差の問題が解消されることとなります。
当面、経過措置によりリバースチャージ方式適用事業者に該当しても、一定の場合には課税上問題ないことから申告義務はございません。
なお、登録国外事業者に該当しない会社等から電子的サービスを受けた場合、仕入税額控除の対象となりませんのでご注意ください。8月17日現在、アマゾンやアドビくらいしか登録していないため、このままだと登録していない会社を利用している場合、消費税の払い損になってしまうことから、リバースチャージ方式適用対象となるサービスへの変更も検討対象となるかもしれません。しかし、その区分けを国外事業者がどう認識しているのかが分からないため、このように新しい制度が出来上がる時は、動きづらいです。
また、国内事業者がゲームを海外向けに配信するに際し、輸出免税が適用されないとして争いが生じておりましたが、この点についても課税取引から不課税取引へと内外判定基準が見直されたことから、GooglePlayを使うのかAppStoreを使うのかで取り扱いが異なる不公平性も解消されました。
国際間取引における課税の公平性の観点からは、素晴らしい改正の1つであるものと考えます。
電子的サービスを利用している国外事業者から10月1日より消費税が課税される旨のメール通知も来るようになってきました。混乱を避ける上でも順次登録されていくことを願っております。
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