事務所便り
花園渓谷
今月は北茨城の花園渓谷へ行ってきました。
花園渓谷のように道路沿いにある渓谷はドライブコースとしても有名で素晴らしい所が多いのですが、通過するだけでせっかくの景観をのんびり堪能することができません。渓谷沿いに散策コースがないため致し方ありませんが、たまには新緑を眺めながらの渓谷散策もいいものですね。ただし、全コースアスファルト舗装ですので、スニーカーの方が歩きやすいです。今回は登山靴で来てしまったため、あちこち筋肉痛になりました。
苔むした岩が多いということは、渓流が安定している証拠。氾濫しやすい沢は、岩に苔がつきません。伏流水の沢や上流に発電のための取水口があるなど通年流量が安定している場合に、苔むした沢となります。
あるようでなかなかお目にかかれない渓相ですし、生物種も豊富なため大好きな渓流のタイプです。
職員がスマホで撮影したもの。
登山後、ラインで撮影した写真をアルバムにみんなでアップするのですが、この写真が一番新緑の美しさが出ていて目を引きました。いつのまに腕をあげたのでしょうか。
フタバアオイ。
道路脇に群生していました。丸くて白いのが花になります。
ヒメクロサナエ。
ガードレールの下に生えるウワバミソウの上で羽を乾かしていました。羽化したてのようで、抜け殻があります。源流部でたまに見かけますが、体長は5cm程と小さく黒色のトンボのため見つけ辛いです。
ホコリタケ。
多雪地だと今の時期では潰れてしまって膨らんだ状態のものはありませんが、この場所は積雪量も少ないのでしょうか。指でトントン叩くと茶色い胞子が煙のように出てきて面白いです。
出始めは食べられますが(皮をむく)、成熟するとカビ臭くて鍋が台無しになるので要注意。
千猿の滝。
この辺りから、道路脇にそれなりの積雪があった痕跡が見えてきて、岩場やイヌブナが生えてくるなど景観や植物相(フロラ)が一気に変容してきているのが分かります。
ヤマツツジ。
源流に近づくに連れ、咲き始めの綺麗な状態のヤマツツジが見られました。この株は、花数多くゴッソリ咲いていました。
タニギキョウ。
実物の花の大きさは1cmもありません。繊細で儚げな花が春には多いですね。
亀谷地湿原
渓流が緩やかになり周辺が平になってきた所で山地湿原が出現。今回は下調べをまともにしていなかったため、湿原が出てきてビックリしました。
茶色い植物はヤマドリゼンマイ。食べられます。
クロタニガワカゲロウ。
カゲロウ類など様々な水生昆虫が羽化しているためか、テンカラ釣りをしている人もいました。
下に戻ってから山菜採り。
ウワバミソウ(ミズ)、オオバギボウシ(ウルイ)、クサソテツ(コゴミ)、タラの芽、ミツバ。ミヤマイラクサ(アイコ)もありましたが、刺が痛そうなので諦めました。
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