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事務所便り

トウキョウサンショウウオ飼育日記2

幼生が水面へ浮上して呼吸する仕草が増えてきました。動きはドジョウの腸呼吸のような感じ。いよいよ水中から上陸し肺呼吸へ変態する日が近づいてきたようです。日を追うごとに愛着が湧いてきて可愛くて仕方ないのですが、第一弾として100匹放流することにしました。
放流にあたって注意すべきは、病原菌等を伝播させないこと。小学生でも出来る安価で安全な飼育方法としては、ろ過装置やエアレーション等の器具を使用せず毎日水道水による水換えをすることです。両生類は塩素に強いため、手足が出始める前まではペットボトルに汲み置きした水道水を使用していましたが、その後はジャブジャブ水道水を直に水槽へ入れていました。実際、何ら問題はなく、死ぬこともありません。特に注意すべきは外部から病原菌が入る可能性のあるエサのイトミミズですが、これも水道水による塩素消毒を毎日徹底し、洗浄した後与えていました。
おかげさまで皆、スクスクと元気に育ち予想を遥かに超えた生存率で、共食いもなく均等な大きさに成長しております。

トウキョウサンショウウオ
放流前のもの。5月18日撮影。両足ともしっかり生えてきています。

個室作成
200匹近く生存しているため、共食いを避けるため500mlペットボトルに入れ独身寮を作ってみました。

独身寮
ペットボトルの個室マンションで独身ライフを満喫しています。ちなみに個室にすると成長スピードが早まります。エサを存分に食べられるからでしょうか。また、一度仲間に手足や尾を噛みちぎられた個体は、仲間に食べられないよう食欲が旺盛で常にお腹がパンパンに張っていました。

タワマン
500mlもあっという間に成長して手狭となったため、急遽ファミリータイプを作成。2リットルペットボトルでタワマンといったところでしょうか。

トウキョウサンショウウオ
横から。まだ体高もある幼生。徐々にスリム化していきます。

ぷか〜
プカ〜と浮かぶサンショウウオ。飛んでいるモモンガやムササビのようで可愛いですね。放流するのが辛いです。

上陸
ここへ来て積極的に上陸する個体が増えてきたため、衣装用プラケースを斜めに置いて飼育しております。

週末には、第2段として70匹ほど放流する予定。放流に関しては、卵嚢の採取地から300m程度に留めております。地域個体群として同一の遺伝子を有しているエリア内放流であれば問題ありありませんが、正確に遺伝子を把握しておりませんので、遺伝的系統をかく乱しないためにも、あまり遠くへ放流しないようにしました。

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